最近の医学研究でビタミンDの重要性が明らかになっています。
ビタミンDが欠乏すると骨粗鬆症だけでなく、感染症やがん、循環器疾患、うつ病のリスクを増やすことが分かっています。
さらにリウマチや橋本病などの自己免疫疾患や発作性めまいもビタミンD不足が関連していると考えられています。
現代人は日光浴不足や食生活の変化により、深刻なビタミンD不足にあることが報告されています。
今回ビタミンDについて解説したいと思います。
深刻なビタミンD不足
2021年に日本の成育医療センターで働く361名の医療従事者に採血を行ってビタミンDの濃度を調べた研究があります。

薄い点線の20ng/ml以下が欠乏のラインで、9割以上の医療従事者がビタミンD欠乏という結果でした。さらに濃い点線の10ng/ml以下の重度な欠乏も特に女性に多くみられています。
ちなみに30ng/ml以上が充足のラインなので、充足している人はほとんどいないという結果です。
現代人の多くが深刻なビタミンD不足の状態にあることが危惧されます。
ビタミンD不足がもたらす問題
ビタミンDは骨の形成だけでなく、免疫力や動脈硬化、神経の働きなど身体のさまざまな働きに関連しています。
そのためビタミンDが不足すると以下のような多くの病気のリスクが増加します。
- 骨粗鬆症
- 感染症(かぜ、コロナ、肺炎など)
- がん
- 心筋梗塞
- うつ病
- 自己免疫疾患
ほとんどの主要な病気が含まれています。
ビタミンDを補充する方法
ビタミンDを補う方法は以下の3つがあります。
①日光浴
②食品(特に魚やキノコが豊富)
③サプリ
現代人は日光浴の減少や食生活の変化によりビタミンDが不足している人が増加しています。日光を浴びる機会の少ない人にはビタミンDのサプリがおすすめです。
ビタミンDのサプリを長期服用することで、死亡率が減少することが報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24414552/
日光の浴びかた
自然な形でビタミンDを補うには日光浴が一番ですが、紫外線のダメージによるしみやしわが心配な方が多いと思います。
紫外線のダメージを防ぎながらビタミンDを補う日光の浴び方を2つ紹介します。
●しみができやすいCゾーンに日焼け止めを塗る
頬骨の突出の影響でしみができやすいCゾーンと呼ばれる場所があります。この部位に日焼け止めをしっかり塗って他の場所は日焼け止めを薄くすることが対策としてあります。

またビタミンDの合成を妨げない日焼け止めも選択肢となります。ビタミンD生成に関わるのはUVB波のなかの290~310nmの波長ですが、この波長帯だけを透過させ、その他の波長をカットするように作られている日焼け止めがあります。
●食事で抗酸化物質を摂る
肌を紫外線のダメージから守るポリフェノールなどを食品からしっかり摂ることも重要です。
光老化を防ぐ食品としてアーモンドが注目されており、アーモンド摂取の効果をランダム化比較試験(信頼性の高い研究)で検討した論文が報告されています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7997170/
この研究ではアーモンドを摂取していたグループでは、半年後にしわが16%、しみが20%少ないという結果が得られました。
コーヒーも抗酸化物質が豊富で、コーヒーをよく飲む人はしみが少ないという医学研究が報告されています。
皮膚が乾燥していると紫外線のダメージを受けやすいため保湿をしっかり行うのも重要です。
ビタミンの重要性について解説しました。健康を維持するためにビタミンDを意識することも大切です。