執筆者:総合内科専門医 荒井 隆志
かつては高身長は男性がもてるための一要素で、三高(高学歴、高収入、高身長)のひとつでしたが、最近はそれほど重視されなくなったようです。
ところで身長が高い人は、がんで死亡するリスクが高くなることはご存知でしょうか?
以前から海外では高身長ががんのリスクに関連することがいわれていましたが、最近日本人を対象にした研究でもその傾向が確認されました。
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8151.html#:~:text=
高身長では、特に大腸がん、乳がん、卵巣がんが増加するようですが、その理由はよく分かっていません。
リスクが高いといっても身長が高くない人と比べて約1.2倍になるだけなので、あまり心配しすぎる必要はありません。
ただ肥満は改善することができますが、高身長はどうすることもできません。
科学的根拠のあるがん予防法に取り組んでリスクを下げることが大切です。現在のところ、以下の5つに取り組むことでがんのリスクをおよそ半減できることがわかっています。
①禁煙、②節酒(エタノール換算で20g/日未満)、③身体を動かす、④適正な体重を維持、⑤食生活
大腸や乳房はがん検診を受けることも重要です。
高身長の方は特に予防に取り組みながら検診をしっかり受けるようにしましょう。