執筆者:総合内科専門医 荒井 隆志
運動は心身の健康にとても重要で、「Exercise is medicine(運動はくすり)」という言葉もあるぐらいです。
内科外来では頻繁に運動の大切さを説明し、運動をするように勧めています。しかしどんな運動をしているか確認すると、ただ歩いているだけという人が多いのが現状です。
もちろん歩くことも大切で、高齢者の場合は散歩と軽い体操ぐらいで十分ですが、若い人にはもっと負荷のかかる運動をしてほしいところです。
少しきついぐらいの負荷が望ましいのですが、負荷の程度をみるうえで参考になるのが心拍数です。最近ではスマートウォッチやスマートバンドで心拍数がモニターできるのでとても便利です。
健康増進のための有酸素運動では、最大心拍数の60~70%程度がひとつの目安になります(最大心拍数は220-年齢です)。40歳では心拍数108~126/分が目標です(可能ならもっと負荷の高い運動でも問題ありません)。
ウォーキングでも速歩にすることで、このぐらいの負荷にすることは可能です(速歩とゆっくり歩きを交互に繰り返すインターバル速歩もおすすめです)。
ご高齢の方や持病のある方は運動を行うリスクも考えられるため、主治医に相談しながら取り組むのが望ましいです。
自分はスマートバンドを使って心拍数をみながら運動しています。
高血圧や糖尿病、心不全といった基礎疾患がある方は運動を始めるにあたって注意が必要です。運動のリスクが気になる方は遠慮なくご相談ください。