内科の外来をしていると、高齢の方から「町内会の役員の仕事がしんどい」とか「マンションの管理組合が面倒」といった相談を受けることがよくあります。
過剰な負担になっているようなら辞めることを提案しますが、適度な負担であればぜひ続けるように勧めています。
というのも、役職を担うことが健康にプラスになることが医学的にも明らかになっているからです。
リーダー的な役割をしている高齢者は、そうでない高齢者と比べて28%も死亡率が低いという研究が報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27175729/
また役職をもっている高齢者は、認知症になるリスクが25%低いという研究結果もあります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29284406/
役職を通して人とのつながりができたり、身体を動かす機会が増えることが健康につながっていると考えられます。
以前は仕事を辞めた後の悠々自適の生活に憧れたりしていましたが、最近では早期に退職するFIREがもてはやされたりしています。
しかし、ある程度はしんどくても社会的な役割がある方が健康にはプラスに働きます。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」といわれますが、それは年齢を重ねてからも当てはまるのではないかと思います。