健康的な飲み物3選

 執筆者:総合内科専門医 荒井 隆志

 健康的な生活のためには食事だけでなく、飲み物にも気を配ることが大切です。
 今回科学的な根拠のある健康的な飲み物3選を紹介します。

目次

  コーヒー

 健康効果のデータが最も豊富な飲み物がコーヒーです。
 心臓病や脳卒中、糖尿病、認知症、肝臓がん、大腸がんといったさまざまな病気の予防に効果が期待できます。
 日本人を対象とした研究でも効果が示されており、岐阜県の高山で41万人の日本人を対象とした研究では、コーヒーを1日に2~3杯飲む人は死亡率が19%低いという結果でした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31107195/
 またコーヒーを1日に2~3杯飲むと胆石の発症を4割も減らすという報告もあります。
 さらにコーヒーには痛風の予防効果もあることが、日本人を対象にした研究で報告されています。結果にばらつきはありますが、コーヒーを飲む習慣は痛風を25~70%減らすという結果となっています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acr2.11425
 一日に2~4杯は飲みたいコーヒーですが、砂糖はなるべく入れないようにしましょう。

  緑茶

 緑茶の渋み成分であるカテキンにはダイエット効果があり、肥満や糖尿病の予防や改善に役立ちます。
 認知症の予防効果も期待されており、緑茶を飲む習慣がある人は飲まない人と比べて認知症のリスクが約3割低いことが日本の長寿医療センターから報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31544736/
 またカテキンには抗菌効果や抗ウイルス効果もあり、インフルエンザやコロナウイルスの活性を抑えることが報告されています。また虫歯や歯周病の予防効果も期待できます。
 旨み成分のテアニンにはリラックス効果があり、ストレス緩和にも役立ちます。
 緑茶を飲む習慣がある人は、死亡リスクが下のグラフに示すように低下することが、日本の国立がんセンターから報告されています。
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3526.html

 いろいろな良い効果がある緑茶ですが、カテキンには鉄分の吸収を妨げる作用があるため、緑茶をよく飲む女性は鉄不足に注意が必要です。
 人口一人あたりの緑茶の消費量は日本が一位であり、日本人の長寿の理由の一つになっていると考えられます。

  ココア

 ココアは食物繊維やカカオポリフェノール、亜鉛などを多く含んでおり、さまざまな健康効果があります。
 血圧を下げる効果があり、心臓病や脳卒中の予防効果が期待できます。
 ココアに含まれるテオブロミンには自律神経を整える作用があります。
 砂糖を含まない純ココアを牛乳で溶かして飲むのがおすすめです(甘味が欲しい人はハチミツを入れましょう)。

科学的根拠に基づいたおすすめの飲み物を紹介しました。健康生活のためには食べ物だけでなく、飲み物に気を配ることも大切です。砂糖の入った清涼飲料水は避けて、コーヒーや緑茶、ココアを飲むことを習慣にしましょう。

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