期外収縮

期外収縮は健康な人にもよくみられる不整脈で、加齢とともに増加するのが特徴です。基本的には心配ない不整脈ですが、注意すべき点もいくつかあります。

目次

  期外収縮とは

 期外収縮は本来より早いタイミングで心臓が収縮する不整脈です。通常は単発ですが、連発で生じることもあります。
 心臓の上にある心房から発生する「上室期外収縮」と、心臓の下から発生する「心室期外収縮」の2つがあります。  
 年齢とともに増加し、60歳以上ではほぼ全員にみられるようになります。

  期外収縮の症状

 ほとんどの期外収縮は症状がなく、心電図で偶然指摘されることが多いです。家庭の血圧計で不規則な脈として表示されることもあります。
 自覚症状としては「脈がとぶ」感じが最も多いですが、「胸が一瞬つまる」という感じ方もあり個人差があります。
 症状は基本的には2~3秒で続きませんが、頻繁に症状がみられる方もおられます。

  期外収縮の原因

 期外収縮は加齢が要因となりますが、ストレスや疲労、睡眠不足、アルコールでも起こりやすくなります。
 心室期外収縮は狭心症や心筋梗塞、心筋症(心臓の筋肉が分厚くなったり薄くなったりする病気)が原因となることもあり注意が必要です。
 また高血圧や貧血、甲状腺機能亢進症、弁膜症でも期外収縮がみられやすくなります。
 期外収縮そのものは心配ありませんが、その背景に病気が隠れていないか検討が必要です。

  期外収縮の治療

 期外収縮そのものは基本的には治療は必要ありません。
 ストレスや疲労、睡眠不足、アルコールの影響が考えられる方は生活習慣の見直しを行います。
 背景に病気が存在している場合はその治療が必要です。
 期外収縮で動悸の症状が強い場合は、薬による治療を検討することもあります。β遮断薬や抗不安薬といった薬剤を使用します。
 上室期外収縮が頻繁な人は心房細動を起こすリスクが高いことが知られており、心房細動がみられたらその治療を検討します。

期外収縮は基本的には心配ない不整脈ですが、注意すべき事項もあります。特に最近では上室期外収縮が心房細動のリスクになることが分かっており、ホルター心電図での心房細動のチェックを検討する必要があります。

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