咳が続いて内科外来を受診される方は多いです。長引く咳の原因となる主な病気には以下のようなものがあります。
「よくある病気」と「少ないけど見逃せない病気」に分けて解説します。
目次
よくある病気
咳喘息(せきぜんそく)
長引く咳の原因で最も多いのが咳喘息です。
喘息のひとつですが「ぜーぜー」「ひゅーひゅー」という喘鳴(ぜんめい)が出ず、咳だけが続くのが咳喘息です。
咳喘息は20~40代の若い女性に多く、風邪や運動、受動喫煙、冷気などがきっかけで起こります。
治療は通常の喘息と同じように吸入薬が第一です。しつこかった咳が吸入薬でぴたっと止まることも期待できます。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は胸やけだけでなく、長引く咳の原因にもなります。
胃酸を抑える薬を内服することで咳の改善が得られます。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
タバコを吸っていたことがある場合はCOPDの可能性が考えられます。
禁煙した後も咳や痰が続くことが多いですが、吸入薬を使うことで咳や痰が改善します。
副鼻腔気管支症候群
咳だけでなく痰や後鼻漏(はながのどに流れてくる)がみられます。
マクロライド系という抗生物質が有効です。
見逃せない重大な病気
その他にも肺がんや間質性肺炎、肺結核といった見逃せない病気が原因となることもあります。
心不全も咳の原因になることあるため要注意です。
咳が長引く場合は、こうした怖い病気がないことをレントゲンやCTで確認することも必要です。
長引く咳は様子をみずに検査を受けることが必要です。
長引く咳は生活の支障になるだけでなく、重大な病気が隠れていることもあります。咳でお困りの方は遠慮なくご相談ください。