腎盂腎炎

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腎盂腎炎とは

 腎盂腎炎は腎臓に細菌が感染する病気で、膀胱から細菌が逆流することで起こります。
 膀胱炎と同じように尿道の短い女性に多い病気です。
 早期に適切な治療を行わないと、細菌が血液中に侵入して敗血症を起こす危険性があります。

腎盂腎炎の原因

 腎盂腎炎は尿道口(尿の出口)から細菌が侵入して腎臓に感染を起こすことで発症します。
 膀胱炎が先行することもありますが、膀胱炎の症状はなしで腎盂腎炎になることも多いです。
 また糖尿病や前立腺肥大、神経因性膀胱、尿管結石といった病気があると腎盂腎炎になりやすいです。

腎盂腎炎の症状

  • 発熱
  • 腰背部痛、腹痛
  • 吐き気、嘔吐

 膀胱炎では発熱はみられませんが、腎盂腎炎は高熱を起こしやすいです。
 吐き気や腰背部痛、腹痛もみられることも多いです。
 敗血症を起こすと意識が悪くなり、集中治療室での治療が必要になる可能性もあります。

腎盂腎炎の検査

 発熱に加えて腰背部痛や腎臓の辺りの叩打痛(叩くと痛みが生じる)があると腎盂腎炎が疑われます。
 尿検査で白血球や細菌がみられるかどうかを確認します。また原因になっている菌を調べるために尿の培養検査を行います。
 血液検査では白血球やCRPと呼ばれる炎症反応を調べて重症度の評価の参考にします。
 超音波検査では尿の通過障害の有無を確認したり、腎臓に膿(うみ)がたまっていないかを検査します。

腎盂腎炎の治療

 腎盂腎炎が疑われたらすみやかに抗生物質の投与を始めます。
 軽症であれば内服の抗生物質で外来治療が可能です。抗生物質は中途半端にやめると再発しやすいため7~14日間の内服が必要です。
 重症であったり、高齢で基礎疾患がある場合は入院での治療を検討します。
 敗血症になると命の危険性があり、集中治療室での治療が必要になることがあります。

発熱でコロナやインフルエンザの検査が陰性でも腎盂腎炎の可能性があります。腎盂腎炎は重症化する危険性もあるため、気になる方はぜひご相談ください。入院が必要な方は適切な病院に紹介させていただきます。

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