心房細動は高齢化により増加の一途をたどっている不整脈です。動悸や心不全の原因となるだけでなく、重大な脳梗塞を引き起こす要注意の病気です。
心房細動とは
心房細動は心臓の上にある心房のあちこちで異常な電気信号が発生し、心房が細かく震えて不整脈を起こす病気です。
心拍が不規則に速くなることが多いですが、頻脈がなかったりむしろ徐脈になることもあります。
加齢とともに増加し、70歳代では約2~3%の方に心房細動がみられるとされています(長期間チェックするともっと多くみつかると考えられます)。
最初は発作性に不整脈が生じますが、経過とともに慢性化していくことが多いです。
心房細動の症状
自覚症状としては動悸や息切れを起こして医療機関を受診するケースがあります。
心臓に基礎疾患がある人に心房細動が起きると心不全をきたすこともあります。
一方でまったく症状のない人も多いですが、症状がなくてもいつの間にか心臓に血栓ができて大きな脳梗塞の原因になるのがこの心房細動の怖さです。
心房細動の原因
心房細動は加齢が要因ですが、ストレスや喫煙、アルコールでも起こりやすくなります。
また高血圧や糖尿病を含めたメタボリック症候群も心房細動のリスクを高めます。
睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能亢進症が原因となることもあります。
心房細動の検査
心房細動が出ているときに心電図を確認することで診断できます。
医療機関を受診した時に心房細動がみられない場合はホルター心電図を行います。
あらい内科クリニックでは「ePatch」というホルター心電図を採用しております。小型の製品で装着中もシャワー浴が可能です。装置を外すための受診は必要なく、郵送で送っていただくだけで検査が可能です。最長5日間の記録が可能で、24時間の検査より心房細動を検出しやすくなります。
心房細動の治療
頻脈を起こしている場合は脈を抑える薬剤を使います。初期の段階では抗不整脈薬で発作を抑えることも検討します。
症状がまったくなくても脳梗塞を起こすことがあり、脳梗塞のリスクが考えられる人には血栓を予防する抗凝固薬を開始します。
脳梗塞を予防するためには毎日欠かさず服用することが重要です(手術を行うときに一時的に中止することはあります)。
最近カテーテル治療の成功率が向上していますが、合併症を起こすこともあり慎重な判断が必要です。
高齢化とともに増えている心房細動は脳梗塞で大きな後遺症を残すことがあり、健康寿命を保つうえで重要な課題です。心房細動が気になる方はお気軽にご相談ください。