食欲不振はよくある症状ですが、重大な病気が隠れていることもあります。食欲不振にはさまざまな原因があり、複数の要因が絡み合っていることも考えられます。
食欲不振とストレスの関係
食欲不振の原因として多いのが、ストレスや過労です。
ストレスは自律神経に影響して、機能性ディスペプシアという病気を引き起こし食欲不振の原因となります。
さらにストレスが続くと、胃潰瘍やうつ病を発症し、食欲不振が悪化する危険性もあります。
食欲不振の原因となる病気
食欲不振を引き起こす病気は消化器系が代表的ですが、それ以外にもたくさんあります。
消化器系:胃潰瘍、胃がん、機能性ディスペプシア、肝炎、膵がん
循環器系:心不全、心筋梗塞
呼吸器系:慢性呼吸不全(COPD)
感染症:肺炎、胃腸炎、インフルエンザ、コロナ
精神疾患:うつ病、神経性食思不振症
電解質異常、腎不全、副腎不全、認知症
高齢者では発熱や咳がなく食欲不振だけで肺炎がみつかることもあります。
高齢女性や糖尿病がある方では、心筋梗塞なのに胸痛がなく食欲不振だけということもあります。
この表にある病気以外にも、食欲不振を起こす病気は多数あります。
食欲不振の検査
食欲不振のある方には、問診や診察を行って、考えられる病気を絞り込んだうえで検査を選択します。
消化器系の病気が疑われる場合は、胃カメラや腹部エコー検査を行います。
循環器や呼吸器の病気が考えられる場合は、心電図や胸部レントゲンをチェックします。
必要に応じて血液検査で肝機能や腎機能、電解質の数値も確認します。
食欲不振の治療
食欲不振の原因となっている病気があればその治療を行います。
病気がない場合や機能性ディスペプシアの方には、ストレスや生活習慣の改善を図ります。
薬物治療としては、漢方薬の「六君子湯」がよく用いられます。夏バテなどの疲労で食欲が落ちている方には「補中益気湯」も有効です。
食欲不振は怖い病気が原因となっていることもあります。特に消化器系の悪性腫瘍(がん)の可能性には注意が必要です。食欲不振が気になる方はお気軽にご相談ください。