胃がん

胃がんは現在でも日本人のがん罹患数の第2位で、死亡者数は第3位と非常に多いがんです。

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  胃がんの原因

 ほとんどの胃がんはピロリ菌の感染が原因で起こります。ただ最近はピロリ菌の感染率が低下し、ピロリ未感染の胃がんの割合も増えています。
 ピロリ菌以外にもアルコール摂取や喫煙、肥満、塩分、漬物、加工肉の摂取が胃がんのリスクと関連しています。

  胃がんの症状

  • 腹痛、つかえ感、嘔吐
  • 食欲不振、体重減少
  • 黒い便、吐血、鉄欠乏性貧血

 腹痛や食欲不振、つかえ感、嘔吐、体重減少が胃がんでよくみられる症状です。
 出血すると黒い便が出たり、吐血することもあります。慢性的に出血して鉄欠乏性貧血を起こすこともあります。
 胃薬で胃がんの症状もよくなってしまうことがあるため、胃薬で漫然と様子をみることは危険です。
 また症状が出ている時点でそれなりに進行しているため、症状が出る前に見つけることが望ましいです。

  胃がんの検査

 胃がんの診断で最も有用なのが内視鏡検査(胃カメラ)です。内視鏡で異常がみられたら、組織の一部を採取して病理検査に出します。
 一見普通の潰瘍にみえても病理検査をしたら、がんだったということもよくあります。
 バリウム検査は診断の精度が低く、組織を採取することもできません。また腸閉塞や虫垂炎といった合併症もあり、胃カメラを受けることをおすすめします。

 血液検査の腫瘍マーカーは早期には上昇しないため、早期発見には役立ちません。

  胃がんとポリープの関係

 大腸がんはポリープとの関連が強いですが、胃のポリープはがんになることは少ないです。
 胃のポリープの大部分をしめる胃底腺ポリープはがんになることはほとんどありません。
 胃底腺ポリープの切除は必要なく、経過観察で問題ありません。
 過形成ポリープや胃腺腫というタイプはがんになることもあり、治療の検討が必要です。

  胃がんの治療

 胃がんの治療成績は大きく改善しており、早期で発見できれば5年生存率96%と良好です。
 しかし他の臓器への転移があると、5年生存率6.6%と極端に悪くなってしまいます(いかに早期発見が大切かを痛感します)。
 早期で発見できれば内視鏡による切除も可能で、身体への負担も少なくすみます。

  胃がんの予防

 早期発見が重要な胃がんですが、そもそも胃がんにならないように予防するのが最善です。
 予防で最も大事なのがピロリ菌感染の有無を検査して、感染しているようなら除菌することです。
 胃カメラで萎縮性胃炎というタイプの胃炎がみられたら、血液検査などでピロリ感染の確認を行って除菌治療をします。
 ピロリ菌を除菌することで、大幅に胃がんのリスクを下げることが可能です(リスクがなくなるわけではないので除菌した後も定期的な内視鏡検査が必要です)。

胃がんは患者数第2位のがんですが、ピロリ菌を除菌することによって予防することができます。胃カメラは胃がんの早期発見だけでなく、ピロリ菌の診断によって胃がんの予防にも役立ちます。

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