高尿酸血症(痛風)

 尿酸の数値が高い高尿酸血症の方が最近増えています。高尿酸血症は痛風の原因になるだけでなく、尿管結石や慢性腎臓病、その他の生活習慣病と深く関連しています。

目次

  高尿酸血症とは

 血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。7.0mg/dlを超えると痛風のリスクが高くなるためです。
 高尿酸血症は男性に多く、最近増加しており中年男性の約3割が高尿酸血症と推定されています。
 高尿酸血症の増加とともに痛風患者も増えており、30年で約4倍に増加しています。

  高尿酸血症が引き起こす問題

 尿酸値が高いことで起こる代表的な病気が「痛風」です。痛みが強く、風が当たるだけでも痛むことから「痛風」と呼ばれるようになったといわれています。足の親指に起こることが多く、強い痛みのため日常生活に支障をきたします。
 高尿酸血症があると尿中に結晶ができて「尿管結石」を起こしやすくなります。尿酸結石だけでなくシュウ酸カルシウムによる結石も高尿酸血症によってできやすくなります。
 尿酸の結晶は腎臓にも沈着して「慢性腎臓病」が悪化しやすくなります。腎臓病が進行すると人工透析が必要になる危険性があります。
 高尿酸血症は「メタボリック症候群」とも関連が深く、高尿酸血症の7割にメタボリック症候群を合併するとされています。そのため高尿酸血症は高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中といった病気のリスクにもなります。

  高尿酸血症の原因

 高尿酸血症は遺伝的な体質も影響しますが、最近増えている要因は肥満です。
 またプリン体を多く含む食品も尿酸を増加させます。レバーや干物、肉類の摂取は減らすようにします。
 アルコールも尿酸を増やす作用があります。プリン体フリーでもビールは要注意です。
 腎不全も尿酸上昇の原因になります。尿酸が上昇するとさらに腎不全が進みやすくなり悪循環に陥ります。

  高尿酸血症の治療

生活習慣

 まず重要なのが生活習慣の見直しです。
 肥満が高尿酸血症の要因となるため適正体重を保つようにします。
 アルコールやプリン体を多く含む食品を減らすのも重要です。
 ヨーグルトなどの乳製品やコーヒーには尿酸を下げる効果があります。野菜やきのこ、海藻は尿をアルカリ化して尿酸を排泄しやすくする効果が期待できます。

薬物療法

 生活習慣の見直しだけでは十分に尿酸値が下がらないことが多く、薬物療法が効果的です。
 現在最も使われているのが尿酸合成阻害薬と呼ばれる薬です。
 尿への排泄を促進する薬もありますが、尿管結石を起こす可能性に注意が必要です。
 尿酸の数値を6mg/dl以下に下げると痛風などの合併症を大きく減らすことができるため、6mg/dl以下を目標に治療を行います。

尿酸値が高いことは痛風だけでなく、尿管結石や腎臓病、心臓病のリスクにもなります。尿酸値が気になる方はお気軽にご相談ください。

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