尿管結石とは
尿管結石は腎臓と膀胱をつなぐ尿管に結石ができる病気で、生涯の罹患率は男性9%、女性4%ととても多い病気です。
比較的若い人に多く、男性では30~60歳代、女性は50~60歳代にピークがあります。
食生活の変化や肥満の増加により、尿管結石は最近40年間で約4倍に増えています。
尿管結石の症状
- 背中やわき腹の痛み、下腹部の痛み
- 血尿、尿潜血
- 発熱
背中やわき腹の強い痛みが特徴で、膀胱の近くまで結石が移動すると下腹部の痛みを感じます。
波のある痛みで、痛みがある場所を押さえても痛みは悪化しないのが特徴です。
目に見える血尿や尿潜血を起こすことが多いですが、尿潜血がみられないこともあります。
まれに感染を合併して腎盂腎炎を起こすと高熱がみられます。
尿管結石の検査
腹部超音波検査で水腎症と呼ばれる尿が停滞している所見がみられます。しかし、結石そのものは確認できないことが多いです。
尿管結石の診断に最も有用なのが腹部CT検査で、結石の有無を高い精度で判断でき、結石の大きさも評価することができます。
尿検査で潜血があるかどうかも診断の参考にはなりますが、潜血がみられないことも多いです。
尿管結石の治療
ほとんどの結石が自然に排出されるので、鎮痛剤でしばらく痛みをしのぎながら排出を待ちます。
結石の排出を促進する薬剤もありますが、それほど効果は高くありません。
大きな結石で1か月以上経過しても排出されない場合は、泌尿器科に紹介して超音波や内視鏡で結石を壊す治療を検討します。
尿管結石の予防
尿管結石はそれほど怖い病気ではありませんが、痛みが強く日常生活の支障になるためできるだけ予防したいです。
脱水気味で尿が濃縮されると結石ができやすくなるため、水分をしっかり摂取しておくことは予防に役立ちます。1日に2L以上の水を飲むと尿管結石のリスクが約6割減ったという研究もあります。
動物性たんぱく質や肥満も尿管結石の原因となるため、肉類を減らし適正体重を保つことも大切です。
カルシウムはむしろ積極的に摂取したほうがよく、乳製品や豆類、緑黄色野菜が推奨されます。クエン酸を多く含む果物を食べることも予防につながります。